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椎貝達夫院長
最新刊
2020年11月25日発売 |
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椎貝クリニック
〒302-0014
茨城県取手市中央町2番25号
取手iセンター3階
TEL0297-84-6751
【診療内容】
CKD(慢性腎臓病)専門
【アクセス】
JR常磐線取手駅西口徒歩2分 |
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関連リンク |
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▶ 腎生会 |
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▶ 腎臓病・腎不全の
特殊食品の店ネフロン |
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CKDの進行原因(進行因子)は6つです。
すべて高いレベルのエビデンス(医学的根拠)があります。
1. 高血圧(家庭血圧<125mmHg)
2. 蛋白尿(<1g/日)
3. 貧血(Hgb>11g)
4. 血液の酸性化(血清HCO3>22mEq/ℓ)
5. 食塩(<7g/日)
6. 蛋白質(≒0.8g/標準体重kg)
1)高血圧(家庭血圧<125mmHg)
血圧はどこの病院・医院でもたいてい外来の血圧で血圧が良い悪いを判断します。しかし外来血圧には精神的緊張、血圧の日内リズム、気温、運動量などが影響し、実際の血圧とかけ離れてしまいます。一方家庭で一定の条件で測る家庭血圧はこのような影響を受けることが少ないので、「真の血圧に近い」と言われています。
そこで当クリニックでは初診の段階で家庭血圧測定法を説明し、その方法で患者さんに血圧記入用紙に記録してもらいます。
高血圧はときにはなかな下がらず、3種類以上の降圧薬を必要とすることもあります(エビデンスレベル2)。
2)蛋白尿(<1g/日)
尿蛋白排泄量、5)食塩摂取量、6)蛋白質摂取量は家庭での24時間蓄尿(urine collection, UC)から求めます。保存療法ではUCはかならず必要です。2)尿蛋白排泄量は1g/日未満にしたいところですが、いくら薬で治療しても減少しないことがあります。せいぜい1日2g以下にしたいところです(エビデンスレベル3)。
3)貧血(Hgb>11g)
ヘモグロビン値11g/dL以上を目ざします。CKDの貧血は腎機能を低下させます。腎臓は造血ホルモン(エリスロポエチン)を造り、分泌しています。腎機能が低下するとこの造血ホルモンを分泌する細胞が減り、貧血となります。腎性貧血です。腎性貧血の治療は人工で作られた造血ホルモン製剤の注射です。最近のみ薬も発売されました。
なおCKDの貧血の原因として鉄欠乏性貧血が合併していることがあります。鉄は血中で蛋白と結合して貯蔵されています。貯蔵量を示す血清フェリチン値が100ng/mL未満なら鉄欠乏性貧血が合併しています。その場合は鉄剤を処方し、フェリチン100ng/mL以上を目ざします(エビデンスレベル2)。
4)血液の酸性化(血清HCO3>22mEq/ℓ)
血液の酸性化(アシドーシス)もCKDを進行させます。
腎臓は酸を排泄していますが、腎機能が低下すると酸を排泄できなくなります。血液をアルカリの方向にするため、重曹(水酸ナトリウム)の錠剤をのみます。血清重炭酸濃度22mEq/ℓ以上が目標値です(エビデンスレベル1)。
5)食塩(<7g/日)
食塩摂取量は1日7g未満とします。これは強い食塩制限ではありません(エビデンスレベル3)。
6)蛋白質(≒0.8g/標準体重kg)
CKDの蛋白質摂取量をどうするかについては1980年代から議論がくり返され、結論が出ていません。当クリニックでは「もっとも制限がゆるい低蛋白質食」を勧めています。これだと標準体重50kgの人で1日40g、同60kgの人で1日48gで、献立を造るのはそう難しくなく、筋肉が減少する副作用も生じません(エビデンスレベル1)。制限を達成するには椎貝が1989年に開発したメディカルライス(ネフロンより発売)の使用が有効です。
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